みずたまカイゴのちょっといいはなし　第三話

2021.10.11 お知らせ

みずたまカイゴのちょっといいはなし　第三話

『悔いのない人生』

＜悔いのない人生＞

あるお客様のところに訪問した時に体の調子を尋ねました。
「私、病気が進んでいて本当に体が痛いの。今あなたに聞かれたから病気のことは話すけど、自分からは人には言わないのよ。痛いって言ったってしょうがないから黙ってるの。」

部屋の窓からはなだらかな木々が続き、その向こうに青い空が広がっています。
お住まいの付近にはたくさんの小道があり人が行き交います。

「ここからの眺めが大好きだから毎日見てると道を歩く人の中にシルバーカーを押していたり杖をついている人を見かけると“ああ、この人も痛いんだな。どれくらい痛いんだろうか”ってつい想像しちゃう。」

地域に貢献するお仕事を数十年続けてこられ「本当に仕事が楽しかった。仕事第一であまり子供にかまってあげられなかったけど、それほど仕事が好きだった。」
「金曜日の夜は、とにかくカラオケ行ってお酒飲んでほんっと楽しかった！演劇も夢中になってたくさん観たわね～。」

これをやりたかったということは何かありますか？と聞くと額に手を当て
「うーーーん、あれもしたし、これもしたし、、、何かしら？」と真剣に
考えています。退室するときには「ありがとう。」と見送って下さいます。

楽しいことも、苦しいことも「これもまた過ぎ去る」のであれば、
「ありがとう」と言いながら十全に生きていきたいと感じた一日でした。

みずたまカイゴのちょっといいはなし 第三話

みずたまカイゴのちょっといいはなし　第三話