一期一会｜みずたま介護ステーション

2022.01.21 お知らせ

一期一会

「その機会は二度と繰り返されることのない、一生に一度の出会いである」

初めての介護職は施設職員。大変なことは記憶なく、利用者さんやご家族の笑顔は思い出す。

あまり喋らず、話しかけてもぶっきらぼうで、耳が聞こえにくいのでやたら声が大きい
声質からも若干怖い印象のA様・・・笑った顔を見たことがない。
ある日、象やキリン、シマウマなどサバンナで撮影した写真を見つけた。
A様が撮影したもので、その時の様子を教えてくれた。初めて見たA様の笑顔
無口で不愛想なのは、人見知り。大きい声は耳が聞こえにくいから。
実際は恥ずかしがり屋でちょっと頑固だけど優しいお父さん

肺塞栓のため在宅酸素で生活されているのに、こっそりタバコを吸い、晩酌も。入浴は胸の下までと云われても肩までがっつり入る。そうなるとやはり体調は不安定で高熱出すこともしばしば。
酸素量が増え、夜間帯は頻回な見回り。回復してもしばらく同じような生活だったけど
タバコを止め、晩酌はおちょこ1杯、肩までお風呂の時間は短くなった。A様の笑顔多い生活に変わった。

数年後、異動することになった私の最後の日。一番前で見送ってくださった。
ニコニコ手を振ってくれた。「また会いに来よう！」そう思っていたが月日はあっという間
体調が急変したとの連絡。許可を得て、休日に面会させてもらえることになった。
部屋に入って顔を見た途端。。。涙があふれた。「しまった！　どうしよう！　ダメだ！」
「ほら、お父さんが元気ないから泣いちゃったじゃない。」面会に来ていたご家族の声
A様はニコニコ笑って、手を伸ばす。私の手を握りうんうんとうなづかれる。
どんな話をしたのか、覚えていない。泣き笑いしてしまったことしか覚えていない。
それが最後となり、まもなくご逝去された。

介護職＝3K　のイメージ。それは事実ではありますが、全てではない。
介護は決してそんな狭いものでありません。
介護の仕事を選択する機会がありましたら
自分を大切にできて、周りからも大切にされる現場で、一歩を踏み出してみませんか？

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