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介護コミュニティ
産業ケアマネジャーがファシリテータとして、企業の介護コミュニティ作りをご支援します。

企業が提供する介護コミュニティにおいて、従業員同士が「介護」や「仕事と介護の両立」についてコミュニケーションを図れるように、産業ケアマネジャーがファシリテーションを行い、企業内の介護コミュニティを盛り上げサポートします。
※「産業ケアマネジャー」制度は2016年から当社が独自に認定している資格制度です。なお、日本ケアマネジメント学会の「認定ケアマネジャー」もしくは国が定める「主任介護支援専門員」の資格取得者であり、当社所定の研修を修了した「両立支援のエキスパート」です。
仕事と介護を担う従業員には、多くの悩みがつきものです。
また、介護については相談がしづらく、一人で抱え込んでしまう従業員も少なくはありません。
専門家による的確なアドバイスはもちろん、従業員同士の「雑談」や「分かち合い」が精神的な負担を軽減し、両立への意欲を高めます。さらに、コミュニティの沈黙や話題の停滞を防ぐため、産業ケアマネジャーが進行をサポートし、有意義な時間を提供します。
NTT株式会社
総務部門 ダイバーシティ推進室 室長
出口 直子(でぐち なおこ)様
総務部門 人材戦略担当 ダイバーシティ推進室 主査
篠 詩織(しの しおり)様


NTTグループでは、「ライフイベントの有無にかかわらず、すべての社員が能力を最大限に発揮し、事業と社会の持続的成長に貢献できる企業グループ」をめざしています。仕事と介護の両立支援は、個人の課題ではなく、グループ全体の競争力と組織基盤を左右する重要な経営課題と位置づけており、経済産業省の「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」に準拠した取り組みを推進しています。
具体的には、①実態の把握と対応(全社員対象のアンケート実施・結果開示、上長面談の必須化)、②情報発信(ハンドブック・動画等によるプッシュ型の情報提供、研修・セミナーの実施、相談窓口の設置)、③企業独自の取り組みの充実(介護コミュニティの運営等)という3つの柱で施策を展開しています。
特に重視しているのは、制度を「整える」だけでなく「届ける」「使える状態にする」ことです。実態調査の結果、想像以上に制度が活用されていないことが明らかとなり、認知・理解の向上に加え、社員が迷わず相談でき、安心して制度を利用できる心理的安全性と風土の醸成に注力しています。
介護コミュニティの導入に至った背景は、2024年度に実施した全社員対象の実態調査の結果です。調査により、介護予備軍(概ね3年以内に介護の開始が想定される方)が市場平均と比較しても高い割合であること、そして制度が整備されていても十分に活用されていない現状が浮き彫りになりました。
セミナーや制度動画発信、マニュアルの整備といった既存施策は、制度や知識の提供には有効ですが、介護は個別性が高く、当事者が抱える不安や孤立感は一方向の情報提供だけでは解消しきれないという課題がありました。そこで、経済産業省ガイドラインの「企業独自の取り組み」として、介護経験者同士が安心して悩みや工夫を共有できる対話の場=コミュニティの設置を決定しました。
また、テーマ設計は参加者アンケートの結果に基づき、ニーズの高い順に設定しており、毎回の内容改善を行っています。産業ケアマネジャーがファシリテーターを務め、専門的な知見に基づいた実践的な情報提供と、当事者の声を拾い上げる場を両立させている点も、本施策を選定した重要な視点です。


2025年度は全6回を開催し、申込者数は初回の44名から最終回には107名へと約2.4倍に増加しました。参加者の口コミによる自然な広がりが大きく、「一人で抱えなくてよいと感じた」「具体的な制度の使い方がわかった」という声が次の参加者を呼ぶ好循環が生まれています。カリキュラム改善の効果もあり参加者満足度は12月・1月に96%を達成しました。
また、エンゲージメント調査の結果、介護コミュニティ参加者の4KPI(主要エンゲージメント指標)は67%と、NTTグループ全体平均63%や介護当事者全体61%を上回る傾向が確認されており、組織への帰属意識や安心感にポジティブな影響を与えていると考えています。
一方で課題もあります。開催時間帯が昼時間に固定されているため、介護の状況によっては参加が難しいというご意見をいただいており、時間帯や形式の柔軟化が今後の検討課題です。
また、希望者に対する個別カウンセリング窓口も設けているのですが、利用率が十分でないことも見えてきており、サービスを「用意する」だけでなく「使いやすい状態をどう作るか」が次の課題と認識しています。
今後は、これまで整備してきた制度・施策の土台の上に、NTTグループ各社のダイバーシティ推進室の知恵とアセットを「つなぎ」、社員や外部に「届く形」で両立支援の認知拡大と定着を図る方針です。2026年度は特に、周囲の理解促進と行動変容を注力ポイントとし、当事者支援と周囲の啓発の両輪で取り組みを加速させます。
具体的には、①ダイバーシティ総合ポータルの開設による情報のワンストップ化、②NTT全グループ社員向けセミナーの実施による仕事と介護の両立に対する理解促進と備えの意識醸成、③介護コミュニティの利活用促進による当事者への伴走支援の充実を進めてまいります。
最終的には、介護に限らず育児、治療を含むあらゆるライフイベントを前提とした働き方が「特別なこと」ではなく「当たり前」となる組織文化を実現し、社員一人ひとりのキャリアと生活の両立を支えることで、NTTグループ全体の持続的な競争力向上につなげていきたいと考えています。
東京海上ホールディングス株式会社 人事部
ウェルネス支援グループ アシスタントマネージャー
坂口 美香(さかぐち みか)様


弊社の社員の中でも特に50歳以上の方を中心に、親の介護でお困りの方をしばしば目にしていました。数年前と比べてもその人数は大幅に増加しており、突然の介護に直面し、対応に悩む社員の姿も多く見受けられます。
そうした中、弊社の人事部門やグループ会社である東京海上日動ベターライフサービス(以下、「BLS」)にも同様の相談が多く寄せられていることが判り、何らかの手を打たないといけないなと思い始めておりました。
ちょうどその頃、BLSから「介護について雑談できるコミュニティを作ってみませんか?運営の支援をしますよ?」とお声掛けいただいたことが、『介護雑談部屋』を開始したきっかけです。
BLSからは、「介護の問題に直面している社員」の様々な悩みや不安を解決するための情報収集の場としてだけでなく、「介護に直面する前の社員」の介護に関するリテラシーの向上にも役立つ支援策にできるのではないかとアドバイスいただきました 。
東京海上日動で導入している「産業ケアマネジャーによる両立支援のための個別相談サービス」とは異なる観点での「仕事と介護の両立支援策」になり、コミュニティの場や社員同士の繋がりの場になると思い、東京海上グループの全グループ会社を対象にしてスタートしました。最近では、参加者も増え、アンケートでの満足度も高く、評価をいただいています。


対面形式では、全国の社員が参加しづらいことから、オンラインでの開催としました。さらに、Wケアラーなど子育てと介護を両立する社員や時短勤務の方も参加しやすいよう、昼休みの時間帯に実施しています。
『介護雑談部屋』ではセンシティブな情報も飛び交うため、名前は「ニックネーム」、カメラオフでの参加をOKとし、安心してコミュニティに参加できる環境を整えました。当初は参加者の発言が少ないこともありましたが、毎回テーマを設定し、参加者がチャットでも質問やコメントを投稿できるようにすることで、発言が活発な雑談会へと発展しています。
具体的な効果の検証はまさにこれからですが、参加者からは「非常に参考になった。また参加したい」「話しができ、すっきりした」「自分と同じ境遇の方がいて、励みになった」といった前向きな感想をいただいております。また、中には、毎回ご参加いただくなどリピートも多く、参加人数も2年もたたずに開催当初の約4倍に増加しており、コミュニティの認知度も向上してきていると感じています。
ファシリテーターである産業ケアマネジャーの皆さんがよく「介護は情報戦」と仰っていますが、介護に関するさまざまな情報を事前に収集しておくことで、急に要介護状態になった際にも落ち着いて対応することができ、適切な介護体制を整えられるのではないかと実感しています。
そうした効果を考えると、『介護雑談部屋』を通じて、仕事とライフを両立して働きやすい職場の雰囲気づくりがさらに進み、介護離職の防止につながるだけでなく、仕事と介護を両立しやすい環境へと変化してきているのではないかと感じています。
わたしたち東京海上日動を含む東京海上グループでは、2024年からグループを挙げて『Tokio Marine Wellness Month』と銘打って、4万人の世界中の東京海上グループ各社の皆さんと一緒にウェルビーイングの実現などを目指す取り組みをスタートしました。
東京海上グループが2019年に制定したグループ健康憲章では、「社員の働きがいを高め、経営理念の実践と企業価値の向上を追求し続けるためには、社員とその家族の心身の健康が重要です」と謳っております。Wellness Monthをきっかけにグループ各社の皆さんとその家族が健康を見つめなおし、心身ともにいきいきとした毎日を送れるようサポートできればと考えています。仕事と介護の両立支援はその一環であり、期間中には「仕事と介護の両立支援セミナー」などの啓発活動を実施し、社員の仕事と介護の両立に向けたリテラシー向上を図っています。さらに、仕事とプライベートの両立を支援する取り組みを強化しており、その一環として「仕事と介護の両立支援」をより一層推進し、これからも社員が安心して働き続けられる環境づくりを支援していきたいと考えています。 また、『介護雑談部屋』が、1つの会社を超えて、社会に変化をもたらす一助となることを願っています。